加納欄の空白シリーズ35シーズン4

真中さんの供述をもとに、凶器の捜索が始まった。

そして翌日、川底から一本の包丁が発見された。

「鑑定結果が出るまでは断定できねぇがな」

大山先輩が報告書を閉じた。

「真中さん、逮捕されるんですよね?」

「ああ。殺人を認めているからな」

高遠先輩が窓の外を見つめた。

「写真をばら撒くなんて脅さなきゃ、こんなことには……」

「でも、殺していい理由にはならねぇ」

大山先輩の言葉に、あたしは頷いた。

「……はい」

机の上には、宮原さんの手帳があった。

何度も書かれた『空き』という二文字。

「なんだか悲しいですね」

「何がだ?」

「好きな人の名前なのに、空っぽみたいで」

大山先輩は黙って手帳を閉じた。

「名前くらい、ちゃんと書いてあげればよかったのに」

あたしは小さく息を吐いた。

もう、その名前が書かれることはない。