加納欄の空白シリーズ35シーズン4

「別れてくれないって、どういうことですか?」

あたしが尋ねると、真中さんは顔を上げた。

「私、もう終わりにしたかったんです」

「それで、宮原さんの部屋へ?」

大山先輩の問いに、彼女は頷いた。

「直接話せば、分かってくれると思って……」

「それで?」

「俊介さん、別れるなら会社に全部話すって……」

真中さんの目から涙がこぼれた。

「私、怖くなって……私の体の写真もばら撒くって………」

「それで台所から包丁を持ち出したんですね?」

高遠先輩が静かに尋ねた。

「……はい」

「凶器は、今どこにありますか?」

「駅の近くの川に……捨てました」

あたしは思わず拳を握りしめた。

「そんなことで、人を殺しちゃ駄目ですよ……」

「分かってます……分かってるんです!でも!」

真中さんは両手で顔を覆った。

部屋には、彼女の泣き声だけが響いていた。