加納欄の空白シリーズ35シーズン4

「先輩、二人が付き合ってたとしてですよ?」

あたしは勤務表から顔を上げた。

「なんだ?」

「どうして、わざわざ名前を隠したんでしょう?」

大山先輩は椅子の背もたれに寄りかかった。

「職場に知られたくなかったのかもしれねぇな」

「えーっ!社内恋愛って禁止なんですかぁ?」

「そんなこと、まだ確認してねぇだろ」

そこへ、苫利先輩が資料を持ってやってきた。

「大山先輩、宮原の通話履歴の件ですが」

「おう、何か分かったか?」

「死亡推定時刻より前に、同じ番号から着信が三回あります」

「相手は?」

「契約者の照会を進めています」

高遠先輩が資料を覗き込んだ。

「三回とも出てるのか?」

「いえ、最後の一回だけ通話記録があります」

あたしは思わず身を乗り出した。

「その電話、何を話したんでしょうねぇ?」