加納欄の空白シリーズ35シーズン4

「先輩、これってもしかして、恋人同士だったんですかねぇ?」

あたしが尋ねると、大山先輩は資料から顔を上げた。

「まだ分からねぇ。まずは事実を確認する」

「でも、名前を隠すって、なんか怪しくないですか?」

「だから、その理由を調べてるんだろ」

大山先輩は手帳の写真を一枚取り上げた。

「欄、この日の『空き』は午後七時から九時だ」

「はい。それが?」

「真中の勤務記録が分かれば、照合できる」

そこへ、高遠先輩が書類を持って戻ってきた。

「仁、会社から勤務記録をもらったぞ」

「どうだった?」

「先月の金曜、二人とも定時で上がってる日が三回ある」

「手帳の『空き』と重なってるな」

大山先輩が日付を指でなぞった。

「じゃあ、やっぱりデートですかぁ?」

「お前、結論出すの早すぎんだよ」

高遠先輩が苦笑いした。

「それと、もう一つ分かったことがある」

あたしと大山先輩は、同時に顔を上げた。