加納欄の空白シリーズ35シーズン4

「まあ、住人以外が使ってても不思議じゃねぇな」

大山先輩が答えた。

「じゃあ、あの女の人も、たまたま通っただけかも?」

「その可能性もあるってことだ」

高遠先輩が、あたしの頭を軽く小突いた。

「お前、たまにはまともなこと言うじゃねぇか」

「たまには余計ですぅ!」

あたしが頬を膨らませると、大山先輩がニヤリと笑った。

「タカ、そろそろ行くぞ」

「ああ。真中の話をもう一度聞こう」

あたしたちは映像確認室を後にした。

廊下を歩きながら、大山先輩が携帯を取り出す。

「真中の退社後の足取りも洗ってくれ」

電話を切ると、高遠先輩に目を向けた。

「昨夜のアリバイが確認できるかどうかだな」

「本人は七時には帰宅したと言ってたよな」

あたしは二人の背中を追いかけた。

「もう一つ聞いていいですかぁ?」

「今度はなんだ?」

「あの『空き』って、誰かの名前だったりしません?」