加納欄の空白シリーズ35シーズン4

「先輩、この人が真中さんだったら……」

あたしが言いかけると、大山先輩が首を振った。

「まだ決めつけるな。顔も確認できてねぇ」

「はぁい……」

高遠先輩が担当の捜査員に声をかけた。

「非常階段の周辺に、ほかのカメラは?」

「隣の建物に一台あります。確認してみます」

「頼む。それと、宮原の帰宅時刻も調べてくれ」

大山先輩は腕時計に目を落とした。

「タカ、もう一度、真中に話を聞きたい」

「ああ。昨夜の行動も詳しく確認しよう」

あたしはモニターに映る女性を見つめた。

俯いているから、顔は分からない。

でも、どうして非常階段の方へ行ったんだろう?

「先輩、ちょっといいですか?」

「なんだ?」

「あの階段、誰でも入れるんですよね?」

「ああ。それがどうした?」

「だったら、住人じゃない人も使ってますよねぇ?」

大山先輩は、あたしの顔を見た。