加納欄の空白シリーズ35シーズン4

あたしたちは、署内の映像確認室へ向かった。

モニターには、マンションのエントランスが映っていた。

「昨夜の午後七時四十二分です」

担当の捜査員が映像を再生する。

画面の端から、一人の女性が現れた。

「この人、真中さんじゃないですか?」

あたしが指さすと、大山先輩が身を乗り出した。

「待て。顔がはっきり映ってねぇ」

女性は俯いたまま、建物の脇へ歩いていく。

「あれ? エントランスに入らないんですね」

高遠先輩が画面を指さした。

「仁、こっちは非常階段の方向だぞ」

「そうだな。あそこは鍵が掛かってなかった」

大山先輩が映像を一時停止させた。

「この人物の出入りは確認できてるのか?」

「今のところ、入るところだけです」

「じゃあ、帰ってないんですか?」

「違う。映ってないだけだ」

大山先輩は、もう一度画面を見つめた。

「別の出口も含めて確認してくれ」

あたしは女性の後ろ姿から目を離せなかった。