加納欄の空白シリーズ35シーズン4

「誰のため、か……」

大山先輩は、もう一度手帳の写真を見た。

「欄、お前はどう思う?」

「えっ? あたしですか?」

突然聞かれて、思わず背筋を伸ばした。

「えーっと、誰かに時間を空けてたとか?」

「だったら、何も書かなくてもいいだろ」

高遠先輩が笑いながら言った。

「ですよねぇ。じゃあ、何で書いたんでしょう?」

あたしが首を傾げたとき、電話が鳴った。

大山先輩が受話器を取る。

「大山です。……ああ、映像が確認できたか」

高遠先輩が椅子から立ち上がった。

「どうだった?」

「昨夜、宮原のマンションに入った人物が映ってる」

「誰ですか? 誰ですかぁ?」

あたしは思わず大山先輩の机に身を乗り出した。

「落ち着け。まだ身元は分かってねぇ」

大山先輩は受話器を置き、上着を手に取った。

「タカ、欄。映像を確認しに行くぞ」