加納欄の空白シリーズ35シーズン4

「タカ、二人は一緒に会社を出たのか?」

大山先輩が写真から顔を上げた。

「いや、宮原が先だ。真中は五分ほど後だな」

「偶然ってこともありますよねぇ?」

あたしが言うと、高遠先輩が頷いた。

「ああ。これだけじゃ何とも言えねぇな」

「それと、宮原の死亡推定時刻は?」

「昨夜の午後八時から十時頃だそうだ」

大山先輩は資料を一枚めくった。

「昨日も手帳には『空き』があるな」

「えっ? じゃあ、誰かと会ってたんですか?」

「その可能性を調べる必要がある」

高遠先輩が椅子を引き寄せた。

「マンションの防犯カメラはどうなってる?」

「今、映像を確認してもらってるところだ」

あたしは机の上の写真を見つめた。

空いてるはずなのに、忙しい。

名前を書いてほしいと怒った真中さん。

この二つ、何か関係があるのかなぁ?

「先輩、この『空き』って、誰のための空きなんでしょう?」