加納欄の空白シリーズ35シーズン4

真中さんが会議室を出ると、大山先輩が口を開いた。

「タカ、どう思う?」

「仕事の引き継ぎで、あそこまで揉めるかねぇ」

「ですよねぇ。名前くらい書いてあげればいいのに」

 二人の先輩が、同時にあたしを見た。

「……な、なんですかぁ?」

「いや、お前はそのままでいい」

大山先輩が苦笑いした。

なんですか、それ。

褒めてます?

「仁、宮原の退社時刻も確認しておこうぜ」

「ああ。防犯カメラも調べたいな」

高遠先輩が立ち上がった。

「俺は小野寺課長に確認してくる」

「頼む。俺たちは一度署に戻る」

あたしも慌てて立ち上がった。

「先輩! あの『空き』の手帳は?」

「鑑識の確認が済んだら、署で詳しく調べる」

「じゃあ、あたしも調べていいですか?」

大山先輩は、あたしの顔をじっと見た。

「……落書きすんなよ」

「しませんよぉ!!」

あたしは、ぷくぅとふくれた。