最期まで笑って。

朝が来て。何もすることがないからただ外の景色を窓から見て。夜に鳴って、寝る。
そんななんてことない毎日を繰り返す。
ほら、また窓から外の景色を見てる。
でも、一つだけいつもと違った。

同室だった人が一人退院して、新しい人が来たんだ。
私と同い年くらいの、女の子。
一人なのに、全然つらそうにしてなくて。
むしろワクワクしてそう。
私にはその気持ちが分からなかった。そんなその子と私は一切関わりがないと思ってたのに。
やっぱり人生って分からない。

その子が来てから何日か経った時。
その子が急に私に話しかけてきた。

「ねぇ、君 名前なんていうの?」

「え…。」

訳が分からなくて、そんなそっけない返事をしてしまった。

「名前、教えてよっ!」

「いい、ですけど…。なんで…?」

「”なんで”って…。1人だとつまんないし、同い年くらいの君とだったら仲良くなれそうかなって!」

たしかに、1人だとつまらない。でもそれでいいと思ってたんだ。
けど…。この子が輝いて見えるのは、なんで…?
そんなこの子を見て、初めてワクワク?のような感情を抱いた。この子となら、仲良くなれるのかな…。

「石橋、笑香です…。中学一年生です…。」

「笑香っ?素敵な名前。私は映!よろしくね!ていうか、敬語じゃなくていいよ。私たち同い年なんだね!」

年齢、同じだったんだ。
ていうか…初めて、親以外に名前で呼ばれたかも。
病院ではほとんど苗字呼びだったから。

「…映。」

「ん?何?」

「…よろしく。」

「うん!もちろん!」

恐る恐るそう言うと、映は笑顔で返事をしてくれた。それが、嬉しかった。

これが、映との…笑顔でいるきっかけとの出会い。