最期まで笑って。

カーテンから差し込む光。

ピヨピヨと鳴く鳥。

そして私は目を覚ます。
今回も同じ夢を見た。自分の家で、お母さんとお父さんと笑い合う、楽しい夢。
その夢が…現実だったらいいのにっていつも思う。

私・石橋 笑香は、幼い頃から心臓の病気がキッカケで入院している。昔は親も一緒にいてくれたけど、中学生になった今は一人で、他の患者さんと同室で過ごしている。だからこそ、いつもこの夢を見る。
早く退院して、自分の家に行ってみたい。
お母さんとお父さんに会いたい。
って毎日思う。
でも、その夢が叶うことはないんだよね。
私は1か月前、余命を告げられた。
私の余命は、”2か月”。
思ったよりも長いなって思ってた。
でも、実際は以外と短い。そんなことは承知の上で、長いと思った。その方が、楽に過ごせると思ったから。
短いけど、決まったことだから仕方ない。
だって、運命は変えられないから。

初めて入院した時から何年か経った今になるまで、色々な人を見てきた。
病気が治って退院した人。亡くなってしまった人。
そんな人たちを見ていくたびに、「自分もいつかは」って思った。
考えたくもなかったけど。

この孤独な生活にも慣れてきたし、あとは死ぬのを待つだけ。これでいいんだから。
別にお母さんとお父さんは時々お見舞いに来てくれるし、少しでも会えるなら。
決められた運命を、少しでも変えられるなら。

_このままでいい、と思った。