葵の微かな心音の乱れ1つも見落とすまいとする圧倒的な集中力に満ちていた。
「雑音だけではなく、不整脈、それに心音が弱い。左室拡張末期圧の上昇……心不全の初期増悪だ」
律は聴診器を耳から外すと、すぐさまナースステーションへ向けて、通話インターホンを押した。
「御堂だ。一ノ瀬葵の病室。硝酸薬の持続点滴を開始する。ミリリン10mgと利尿剤を静注。ただちに手配しろ」
「は、はい! 御堂先生、すぐに向かわせます』
スピーカー越しに聞こえる看護師の切迫した声。
御堂は指示を終え、再び葵の顔を見下ろした。
その顔には焦りも動揺もない。
ただ、すべてを自分の支配下に置いているという、傲慢なまでの絶対的な自信だけが存在していた。
「雑音だけではなく、不整脈、それに心音が弱い。左室拡張末期圧の上昇……心不全の初期増悪だ」
律は聴診器を耳から外すと、すぐさまナースステーションへ向けて、通話インターホンを押した。
「御堂だ。一ノ瀬葵の病室。硝酸薬の持続点滴を開始する。ミリリン10mgと利尿剤を静注。ただちに手配しろ」
「は、はい! 御堂先生、すぐに向かわせます』
スピーカー越しに聞こえる看護師の切迫した声。
御堂は指示を終え、再び葵の顔を見下ろした。
その顔には焦りも動揺もない。
ただ、すべてを自分の支配下に置いているという、傲慢なまでの絶対的な自信だけが存在していた。



