俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

淡々と、まるで実験データを読み上げるように事実だけを口にする。

冷酷なまでの合理性。

それが、院内で『氷の神の手』と恐れられる律の真骨頂だった。

​「……せん……せい……すみません……」

​「謝罪は不要だ。お前が発作を起こすのは計算の範疇(はんちゅう)だ」

​律は躊躇なく葵の掛け布団をめくると、胸元のボタンを迅速な手つきで外した。

律は無駄のないしなやかな動きで、露わになった葵の胸元に、首から下げていた聴診器をを当てた。

​「っ……」

​皮膚に触れた金属の冷たさと、それ以上に律との至近距離の圧迫感に、葵の心拍数が跳ね上がる。

​「呼吸を止めろとは言っていない。息をゆっくり吸え」

​「……はい……っ」

​律の切れ長の双眸が、至近距離で葵を射抜いていた。

​冷たい氷のような瞳。

だが、聴診器を押さえるその指先は驚くほど丁寧で優しい。