俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

「……はぁ、……っ」

​胸の深部を、内側から鈍器で押さえこまれているような重い圧迫感。

​葵はベッドの上で身をよじり、小さく息を吐き出した。

​特発性の難治性心筋疾患。

発症原因は特定されておらず、心筋の細胞が徐々に線維化し、ポンプ機能を失っていく病気だった。

​22歳の葵に与えられたのは、特別病棟の最上階にある個室と、いつ止まるかもわからない不確実な時間だけだった。

​(大丈夫……今はまだ、大丈夫……)

​葵はパジャマの胸元を強く握りしめた。

必死に呼吸を整えようとする。

けれど、身体の深部から湧き上がる圧迫感と、冷や汗は止まらない。

​ピッ、ピッ、ピッ、ピッ——

​モニターのアラーム音が、明らかにテンポを上げ始めていた。

​心拍数95、100、130、……

​心筋が酸素不足を起こし、悲鳴を上げている証拠だった。

​(ナースコールを……押さなきゃ……)

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