俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

葵は呆れと、恥ずかしさで、胸の奥から甘いに甘い熱が込み上げるのを感じた。

​1口食べるごとに、葵の心臓がトクンと跳ね上がるのが分かった。

​「……全部食べました」

​「よくできた。……最初からそうしていれば余計な体力を遣わずに済む」

​律は空になったカップをトレイに戻した。

​ポケットから、下ろし立てのまだ折り目がついたハンカチを取り出し、葵の口元を優しく拭った。

​律の指先が葵の唇に触れる。

瞬間、葵の中に電気のような衝撃が走る。

​「お前はただ、俺の言うことだけを聞いていればいい。……余計な不安を抱く余裕があるなら、体力を蓄えろ」

​律はそう言い残して病室を出て行った。

葵はベッドの中で1人、律の背中を思い出しながら、熱くなった頬を両手で包み込んだ。

​(あんなに冷たいのに……やっぱり、ずるい人……)