俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

律は葵が少しからかうように言うと、不機嫌そうに片眉を上げた。

​「くだらない噂に耳を傾ける暇があるなら、少しは体調のコントロールに集中しろ。あいつらの甘い認識を叩き直すのは俺の仕事だ。指導ではなく、ただの事実確認だ」

​どこまでも容赦がない。

律は思わず苦笑してしまう葵を見て、フッと鼻で笑った。

そしてサイドテーブルの上に置かれた小さなトレイに目を留めた。

​「……なんだ、これは」

​「あ、それ……今日の昼食に出ていた栄養ゼリーです。どうしても食欲が出なくて、残してしまって……」

​葵が気まずそうに目を逸らすと、律の雰囲気が一変した。

​冷やかな氷の瞳に、ジロリと鋭い光が宿る。

​「残しただと?」

​「……すみません。なんだか喉を通らなくて」

「謝るポイントがズレている。お前の今の心筋状態において、必要なカロリーとミネラルを摂取しないことがどれほどのリスクか、理解しているか?」