俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

重厚なドアが滑らかに開き、中から白衣を翻した律が出てきた。

​その直後、部屋の中から真っ赤な顔をした副院長の声が追うように響いた。

​「待ちなさい、御堂先生!  前例のないリスクを冒してまで、特発性の難治性心筋疾患に対し、前例の少ない最新術式を導入するだと?  君が理事長の息子だからと言って、こんなリスクの高い手術を認めるわけにはいかない。 万が一、術死でもされたら当院の名誉に関わるのだよ!」

​立ち止まった律は葵の車椅子に気づくと、冷やかな瞳で副院長を振り返り、切り捨てるように言い放った。

​「名誉、ですか。患者の命ではなく、自分の保身と病院の体面しか頭にない。素晴らしいお言葉ですね」

​「な、なんだと……!?」

​「この患者を無難に緩和ケアに回し、死を待つのがあんた方の言う『正しい医療』ですか?  海外での治験データと私の手腕をもってすれば、救命率は飛躍的に跳ね上がる。それとも何か、あんた方はこの最高難度の症例を他院に譲り、愚かな無能だと笑われたいのですか?」

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