俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

「あの……先生はお休みにならなくても大丈夫なんですか?」

「当直室でデスクワークをしながらモニターを注視するだけだ。主治医の管理下に置いておいた方が俺の精神衛生上好ましいだけだ。お前に気遣われる筋合いはない」

​どこまでもツンとした、不愛想な言葉だ。

だが、去り際に一瞬だけ振り返った律の瞳には、静かな安堵が滲んでいた。

​冷徹な言葉の裏にある確かな温もりに包まれた。

強張っていた葵の身体からすっと力が抜けていく。

葵の意識は、律の規則的な衣擦れの音を聞きながら、ゆっくりとまどろみの中へと溶けていった。