律はずっと無表情だった顔をほんの僅かに緩め、フッと不敵な笑みを浮かべた。
「礼なら当然だ。俺の貴重な睡眠時間を削って処置をしてやったんだからな」
「……すみません……」
律はゆっくりと手を伸ばすと、葵の額に落ちていた前髪を、驚くほど優しい手つきでそっと横へ払った。
指先から伝わる、温かい熱。
「よく耐えた。命を繋いだことだけは、褒めてやる」
「っ……!」
冷徹な態度の隙間に見えた、あまりにも甘く繊細な手つき。
そのギャップに、治まりかけた葵の心臓が、今度は全く別の理由で大きく跳ね上がった。
「今夜はもう何も考えるな。経過は俺が当直室で観ておく」
律は用意していたタブレットで、葵のリアルタイムバイタルがシステムに同期されたのを確認し、静かに画面を伏せた。
「礼なら当然だ。俺の貴重な睡眠時間を削って処置をしてやったんだからな」
「……すみません……」
律はゆっくりと手を伸ばすと、葵の額に落ちていた前髪を、驚くほど優しい手つきでそっと横へ払った。
指先から伝わる、温かい熱。
「よく耐えた。命を繋いだことだけは、褒めてやる」
「っ……!」
冷徹な態度の隙間に見えた、あまりにも甘く繊細な手つき。
そのギャップに、治まりかけた葵の心臓が、今度は全く別の理由で大きく跳ね上がった。
「今夜はもう何も考えるな。経過は俺が当直室で観ておく」
律は用意していたタブレットで、葵のリアルタイムバイタルがシステムに同期されたのを確認し、静かに画面を伏せた。



