俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

「……」

​「終わった。痛むか?」

​「……い、いえ……」

​血管を1発で捉えた正確無比な処置。

注入された薬剤が静脈を通じて全身へと巡った。

葵の胸を押さえつけていた猛烈な圧迫感が少しずつ和らいでいく。

​数分後。

モニターの電子音の間隔が緩やかになり、アラーム音が止まった。

​ピッ……ピッ……ピッ……

​「心拍数88。ST変化も平坦化に向かっている。……初期対応は完了だ」

​律は手袋を外し、ダストボックスへ投げ入れると、静かに息をついた。

看護師たちが「さすが御堂先生……あの一瞬で判断されるなんて」と感嘆しながら、片付けを行っていく。

​律は誰もいなくなった病室で、葵のベッド脇に立った。

​「落ち着いたな」

​「はい……。ありがとうございました、先生」

​葵が心からの感謝を伝える。