心電図のような恋だった。

扉の前で立ち尽くした。

もっと殺伐としているのかなとか、

もっと暖かい雰囲気なのかなとか、

色んな想像をしていたのに案外普通の診察室で

近所の個人医院くらい普通で

少しだけ拍子抜けした。

「どうぞ座って?」

優しい声に促されるように

目の前の柔らかな椅子に腰掛けた。

「……ちょっと今しんどいのかな?」

そういって、受付で書かされた

A3の大きな紙を見つめて話す。

「そう、、ですね、、」

「なんか、きっかけってあるんですか?」

「……わからないです。」

大きなきっかけがあれば

きっと家族も納得していたのに

まともな理由もなくただしんどいが勝ってる現状に

理解しろなんて言うほうが無理なのかもしれない。

「夜は寝れてる?」

「考えごとしてたら朝になってること多いです。」

「考えごとって例えばどんなことを考えちゃうの?」

「……わからないです。何考えてたかも、、」

覚えてないに近い感覚。

気づいたら朝で、

気づいたら夜で、

人間の形しただけの魂の抜けた無機物のような

そんな感覚で生きてるだけ。