心電図のような恋だった。

もっと静かな待合だと思っていた。

泣きじゃくる少年

なにか小言を呟く女の人

診察室の中から聞こえる怒鳴り声と

付き添いらしいひとの " やめて " と泣き叫ぶ声


想像以上の戦場に思わず息を飲んだ。

右隣の母親は興味なさげにスマホを開いていて

わたしは背筋は伸びて

心臓がばくばく音を立てる。

「白井 のどかさん3番の診察室へどうぞ」

天井に備え付けられたスピーカーから

呼び出しのアナウンスが鳴って

椅子から立ち上がった。


ひとりで行けよ。と言わんばかりに

目も合わせずスマホに一直線の母を置いて

3度ノックを鳴らした。

おじさんの柔らかな声を合図に

見た目とは裏腹に軽い扉を左にスライドした。