スイートな時間

「俺様を見習え、神だと崇めたまえ」


「突然ですが……誰ですか?」


「この学校で誰も俺を知らない奴は居ない
と思ったがな」


距離感がある。近くない。安心しきって、


「名前…なんですか?」


「高崎斗真だ。覚えておくように」


鼎が私にひっそり「あみ利係やってもらいなよ!」とお世辞ながら吹き込む。


「私は……千条あみ利です。先輩ですか……?」


眉を顰められ歪んだ顔つきになると、


「ここにお前らしか居ないから呼びかけてる、そう捉えたら先輩かどうかより確かめなくても分かるだろ」


そうか。私と鼎以外居ないんだった。不甲斐ない。



「しっ失礼しましたっ二度とこんな真似はしません!!
」


「あの〜高崎先輩?」と、鼎がゆっくりなトーンで甘く繊細に話しかけるから、きっと何かを強請ることだろう。それは、突然起きた。


「なんだ」


「あみ利係やってもらえません!?この子人との距離感難しくて今まで私任せだったので……手渡します」



な、なんだって────!?


そんなこと、彼が鵜呑みにする訳ないよね……?


「先程隣の男子から不意打ちにキスを貰ったみたいで……大分気分が落ち込んでるんです。弱点は唇みたいなのでキスだけはしないと親友の私から誓ってお願いします……」

「何が起きてるのかイマイチよく分からないな。こいつを世話したらいいのか?とりあえず」


「はいっ。言い寄ってくる虫を先輩特有のガン見で敵を見殺しにやっつけちゃってください」


「所々感に触る話だが千条あみ利……と言ったな?教室まで見送ろう、あくまで偵察だ。何が起きてるか見ものみたいなものだからな」