スイートな時間

「敬語やめてくださいっ」


私が遂に他の子と喋った瞬間だった。


その子は髪は横に流してて、前髪の隙間からみえる双眼はくりっとしてて丸い眼。鼻はスッとしていて、細い唇。


「じゃ、じゃあ、おはよう!」


なぜかその子は緊張気味で。私に話しかけてきた時より倍大声で挨拶をしてきた。


「おはよう……?」


私が首を傾げると、虜になったように、目を丸くするその子。


やがて入学式のアナウンスが流れ始め、お互い隣の席に座り、


「あっあのさっ」


そちらを向くと反響した音のせいか、マイクのキーンという跳ね返りの音が聞こえる。横を向く。


「俺……興味ない?なさそうだもんね……。酷いよ。泣くよ?俺……」


「気安く喋りかけないで」ともいえず、反応に困ってたらある本の著者のあとがきを思い出す。"勇気は培うものだ、与えられるものではない"と──。


「何──?」


キス。不意打ち。暴れる心臓。唇を離すと向こうは屈託ない笑顔をみせ、


「宜しくな、これから」


とハイリスクな挨拶に心を囚われそうになって放任。誰か私を気にかけないでオーラで1人座ったままでいると、鼎が心配そうに呼びかけてきた。


「大丈夫?あみ利──」


咄嗟に立つと隣に立つ親友に泣き崩れながらズルズルと話し出した。