ふふっと笑い、温かなカップをテーブルにおくと、凌さんは琥珀色の瞳を静かに細めた。
「興趣是最好的老師……か」
「え?」
「日本で言うと『好きこそものの上手なれ』みたいな言葉だ」
「へぇ。凌さんに褒められると、学校の先生に褒められているみたいです」
「学校の先生ねぇ……俺は真逆の人間だよ、茉莉」
凌さんもお茶を飲み干し、静かに茶器を置いた。
そしてどこか試すような視線で私を見つめてくる。
琥珀色の艶やかな視線にそわそわしてしまった。
「そ、そうかな。でも凌さんは私を助けてくれたし、いい人じゃないのかな」
「ふぅん……いい人はこうして夜だけに来ないと思うけど」
凌さんが静かに呟いたあと、凌さんは長い腕を私へ伸ばした。
その指先が私の唇に触れた途端。
スマホの着信音が店に響いた。
思わず体をびくりと揺らしてしまう。
「あ、凌さんの電話かな。どうぞ出てください」
しかし、凌さんはスマホを取らず。
着信音はすぐに切れた。
凌さんは私の唇に伸ばした手を、ゆっくりと引っ込めた。
「この着信音は俺をお迎えに来た合図。さて、そろそろ仕事に行ってくる」
ガタリと席を立ち「今日も美味しかった。ご馳走様」と微笑む凌さん。
先ほどの艶やかな視線はどこにもなくて、返って私は揶揄われたのかと、変に胸がドキドキしてしまった。
「いえ、私こそ茶葉をありがとうございました。お仕事頑張ってきてください」
「あぁ、行ってくる。茉莉、またな」
凌さんは手をゆっくりと振って、お店を後にした。
お店に微かに残るエキゾチックな香りと、私の高鳴る胸の鼓動。
「もう。凌さんってば……いつも思わせぶりなんだから」
お客様じゃなかったら、変に意識してしまうところだった。危ない、危ない。
今の私は恋より仕事だ。
「さて、一息ついたし。元気が出たっ」
気合いも十分入って、残りの仕事を頑張ろうと思うのだった。
「興趣是最好的老師……か」
「え?」
「日本で言うと『好きこそものの上手なれ』みたいな言葉だ」
「へぇ。凌さんに褒められると、学校の先生に褒められているみたいです」
「学校の先生ねぇ……俺は真逆の人間だよ、茉莉」
凌さんもお茶を飲み干し、静かに茶器を置いた。
そしてどこか試すような視線で私を見つめてくる。
琥珀色の艶やかな視線にそわそわしてしまった。
「そ、そうかな。でも凌さんは私を助けてくれたし、いい人じゃないのかな」
「ふぅん……いい人はこうして夜だけに来ないと思うけど」
凌さんが静かに呟いたあと、凌さんは長い腕を私へ伸ばした。
その指先が私の唇に触れた途端。
スマホの着信音が店に響いた。
思わず体をびくりと揺らしてしまう。
「あ、凌さんの電話かな。どうぞ出てください」
しかし、凌さんはスマホを取らず。
着信音はすぐに切れた。
凌さんは私の唇に伸ばした手を、ゆっくりと引っ込めた。
「この着信音は俺をお迎えに来た合図。さて、そろそろ仕事に行ってくる」
ガタリと席を立ち「今日も美味しかった。ご馳走様」と微笑む凌さん。
先ほどの艶やかな視線はどこにもなくて、返って私は揶揄われたのかと、変に胸がドキドキしてしまった。
「いえ、私こそ茶葉をありがとうございました。お仕事頑張ってきてください」
「あぁ、行ってくる。茉莉、またな」
凌さんは手をゆっくりと振って、お店を後にした。
お店に微かに残るエキゾチックな香りと、私の高鳴る胸の鼓動。
「もう。凌さんってば……いつも思わせぶりなんだから」
お客様じゃなかったら、変に意識してしまうところだった。危ない、危ない。
今の私は恋より仕事だ。
「さて、一息ついたし。元気が出たっ」
気合いも十分入って、残りの仕事を頑張ろうと思うのだった。
