後ろの魔王様

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日曜日。

駅ビルの二階にあるCDショップの前で、英くんが来るのを待っていた。

ホントは痛バとか、キーホルダーやぬいをたっぷり持ってきたかったのだけれど、私のオタクっぷりを知らない英くんを怖がらせてはいけない。

シンプルなトートバッグに、ハナビくんのキーホルダーを一つだけつけてきた。
……ぬいはバッグの中に忍ばせているけれど。


「この駅ビル来たことないから迷っちった〜」


約束の時間の五分前。

シュン、と見えない耳を伏せて、申し訳なさそうにやってくる英くん。

ワイドパンツと白いシャツ、カーディガンといったシンプルな服装がとても似合っていて、思わず自分の身なりを確認してしまったほど。


「待たせちゃった〜?」

「ううん、私も来たとこだから」

「それなら良かったァ」


へらぁ、と嬉しそうに笑う英くんは、周りの女の子の視線を釘付けだ。

学校では『魔王』のイメージが強いけれど、それさえなければモデル体型のかっこ可愛い男子。そりゃあ、目を引く。

しかもオシャレ。
学校では制服を着崩しているし、上履きの踵は踏んづけている。寝てばかりいるから、ふわふわの髪の毛は癖がついていて、ちょっとポケ〜っとした印象。

それなのに今日は!
ドキドキさせてくるじゃないかっ!


落ち着かなくて眼鏡のブリッジを人差し指で押し上げていると、自然な流れで私のトートバッグを持っていかれた。


「は、英くんっ!?」

「コラボカフェ行こ〜。オレ朝抜いてきたんだよねェ、早くなんか食べたい」

「えっ!?そうなの?それならたくさん食べてもらおうかなっ!」


やっぱり神だ、英くん!