ただいま照梨学園で、溺愛発生中です!

恥ずかしいっ!
 出会ったばかりなのに、たくさん泣かせてもらっちゃった・・っ・・
「どうかしましたか?泣き止みました?」
 優しい顔で、見つめないで・・・!
「は、はいっ・・・」
「良かったです!」
 か、かわ、いい・・・
 は?何思ってんだよ、俺。
 可愛いとかないだろ。
「これからは、気を付けてくださいねっ!」
 女の子が笑顔でこっちを見た。
 ドキッ・・・
 さっきから、この胸の鼓動は何なんだよ。
「じゃあ、私は帰りますっ!」
「は、はいっ・・・!ありがとうございましたっ!」
 俺がそう言うと、この美少女は笑顔でこっちを見てくれた。
 女の子が帰って行ったあと、パタパタと顏をあおいだ。
 何なんだ。この感情は。
 さっきから、心臓がうるさい。
 も、も、もしかして、これが恋なのか。
 俺は、今日初めて会った人に恋してしまったのか。
 でも、心が痛い。
 きっとこれは、嬉しいの方の、痛みだっ!
 悲しさは、1つもない。
「優しかったな」
 見たこともない俺を助けてくれて、心配してくれて、泣かせてくれて、さらには笑顔でこっちを見てくれた。
 ・・・決めた。
 まだ俺は、弱くて臆病で、友達1人もいないけど、あの子に好きになってもらえるような男になるんだ。
 この日から俺は、1度しか会ったことがない女の子に好きになってもらえるよう、たくさん勉強し、努力して、ついに、照梨学園の生徒会に入り、副会長になった。


 どうしてここにあの日の女の子がいるんだ。
 顔は変わっているけど、面影も、雰囲気も変わっていない。
「えっと・・・初めましてっ!今日から照梨学園に編入してきた神宮寺 輝奈ですっ・・・!よ、よろしくお願いしますっ!」
 声も変わっていない・・・
 だけど、覚えていないのか・・・
 でもそうだよな。
 逆に昔のことを当たり前に思ってる、俺の方が変だよな。
「あぁ、よろしく頼む。生徒会副会長の、山理 白砂だ。鶴日、何しに来たんだ」
 普通の男子・・・普通の男子・・・
 今、この子は俺と初めて会ったと思っているんだ。
 迷惑をかけたらだめだ。
 それに、鶴日もいるし。
「副会長。輝奈ちゃんが担任に、プリントを生徒会室に持っていくようにと言われていたので、ついてきました!」
「そうか」
 ん?
 鶴日の後ろで女の子、神宮寺さんが口を開いては閉じを、繰り返していた。
「あの・・・このプリントを香先生から頼まれて・・・そして、白先輩とお呼びしていいですか?」
 香先生ってことは、1—SSか。
「ありがとな。ああ、いいぞ。鶴日、顔出してくか?」
「いえ。もう戻ります」
「そうか。気を付けて戻れよ」
「はい!副会長も早めに仕事終わらせた方がいいですよ」
「そうだな。神宮寺さんも、気を付けてね」
「は、はいっ・・・!」
 2人が行ってから俺は考えた。
 絶対あいつ、神宮寺さんのこと好きだろ。
 今日来たばかりだけど、時間は関係ない。
 俺もそうだから分かる。
 神宮寺さんも、鶴日には気を許している。
 俺も頑張らなければ。
 気を抜いていたら、だめだ。
 神宮寺さんが他の奴と付き合ってしまう。
 そう思って、すぐに残りの仕事を始めた。