家電量販店に着くと、伊久間くんは迷わず電子レンジ売り場へ向かった。並んでいる商品はどれも似て見えて、違いがよく分からない。
「これくらいの大きさでいいんじゃない? 電子レンジ置いてる棚、このくらいでしょ」
「そんなのまで覚えてるの?」
「何回行ってると思っての」
やがて店員さんが近づいてきて、いくつか機能を説明してくれた。オーブン機能。自動あたため。解凍。
聞いているうちに、どれが必要なのか分からなくなってくる。
「紅ちゃん、オーブン使わないでしょ」
「……たまには使うかもしれないじゃん」
「今まで使ってるの見たことないもん。 解凍と温めがちゃんとできれば十分じゃない?あと、今のより少し庫内広い方が使いやすそう」
そこまで言われると、私より伊久間くんの方が分かっている気がしてくる。
店員さんも私たちのやりとりを聞きながら頷いた。
「でしたら、こちらがおすすめですね。お二人でお使いになるなら、容量も十分ですし」
