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休日の朝。
冷蔵庫から昨日の残りを出して、いつものように電子レンジへ入れた。
ボタンを押しても、何も起きない。
「……え?」
もう一度。
やっぱり動かない。コンセントを抜き差しして、別のボタンも押してみる。それでも表示は暗いままだった。
しばらく電子レンジを見つめてから、諦めてスマートフォンを手に取る。
『電子レンジ壊れた』
すぐに既読がついた。
『見に行く』
数分後、玄関をノックする音がして扉を開けると、伊久間くんが部屋着のまま立っていた。
「見せて」
電子レンジを見て、コンセントを確認して、何度かボタンを押す。やっていることは私とほとんど同じなのに、なぜか直りそうな気がして見てしまう。
しばらくして、伊久間くんが振り返った。
「だめだね。これ、いつから使ってるっけ?」
「ここに引っ越してきたときからだから……12年くらい?」
言われて、改めて電子レンジを見る。
18歳の春から、ずっと使っていた。
「……そりゃ壊れるよ。今から買いに行く?ないと困るでしょ。車出すから、支度できたら連絡して」
強引に予定を決めた伊久間くんは、私に有無を言わさず自分の部屋に戻って行った。
