ほな、えっちしようか?

「な、なんですか?」

「これ」

大滝先輩が、一枚の資料を俺の机に置いた。

「昨日頼んどいた修正、今日中にいけそう?」

「……あ、はい。いけます」

「ほな、よろしく」

それだけ言って、先輩は戻ろうとする。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

「ん?」

「いや……その……」

聞きたい。

めちゃくちゃ聞きたい。

昨日、俺ら何したんですかって。

けど、ここ会社や。

しかも周りには同じ部署の人間がぎょうさんおる。

「……なんもないです」

「そう?」

先輩は俺の顔をじっと見る。

そして、誰にも聞こえへんくらいの声で言った。

「昨日のこと、思い出した?」

「――っ!」

「まだみたいやな」

クスッと笑って、大滝先輩は自分の席へ戻っていった。