別に手をつないでいたワケじゃないし、付き合ってるってバレたワケじゃないけど、なんか恥ずかしくて。



今まで普通に隣に並んで歩いてきた。



でも、なんか恥ずかしいんだ。



人が通り過ぎるのを待って、拓也が追い付いて来た。


「稀紗(キサ)はどうする?」


「何が?」


「親に言う?」



ああ、まだその事引っ張ってたんだ。



「機会を見て言うかな。」


拓也は難しい顔をして考え込んでいる。