私の彼氏と野球と私

「タイミング逃して損した。」



その言葉に何も言えなくなった。



水仕事でもしていたのか、拓也の手は少し冷たかった。



「拓也~。」



奥からおばさんの声が聞こえた。



「いいの?」


「いい。
どうせまた手伝えって言われる。」



顔をしかめて拓也は台所から遠ざかった。