「まあいいや。
どこ行く?」


「お前行きたい所あるか?」


「ない。」


「そんな…。」



どこ行くか決められない、と拓也は髪をくしゃっと掴んだ。



あ、そういえば髪。


男の子もワックスとか使って髪整えるっていうけど、拓也はそんな事しない。



よく言えば無造作ヘア、フツーに言えばそのまんまほったらかし。



拓也はないのかな。

智君みたいに。



…あんなチャラくなられても困るけど。(かなり失礼。)



でも最近智君髪を金髪にしたからな。


あそこまでやらなくても。



「何ボーッとしてんだよ、行くぞ。」


「あぁ、うん。」



拓也はスタスタと改札に向かって行った。



…待ってよ。