*稀紗side*



拓也と仲直りしてから月日が経ち、今はもう秋。



教室から見える木の葉はもう茶色くなってきた。



「稀紗、帰るぞ。」


「あ、うん。」



私は急いでカバンを肩にかけ、拓也の後を追った。



今日はクラブがない。


だから、早く一緒に帰れるんだ



「なあ。」


「ん?」


「今日、先帰ってくれないか?」



どうして?



私は拓也を見上げた。