私の彼氏と野球と私

わかった。


俺は確かめたかったんだ。


稀紗に捨てられないかを。



「ありがと。」



ギュッと抱きしめても、稀紗は何も言わなかった。


ってことは、嫌じゃないんだな。



「稀紗、ゴメン。
なにがしたいかわかんねぇ。」


「うん。
とにかく、私は拓也が好きだよ。」



照れながら俺は稀紗の額にキスした。



「やっと落ち着いた。」


「へ?」



何を言ってるのかわからない。



「拓也、いつも通り。」



これが?


「どこがいつも通りなんだ?」


「素直になったから。」