私の彼氏と野球と私

「うおおっ!?」


「馬鹿ぁ!!!」



倒れはしなかったものの、少しよろける。



「なんでそんなことばっか言うの!?」



凄い剣幕の稀紗にバシンと頭を叩かれる。



…漫画みたいに頬じゃないところが稀紗らしい。



「わからずや!」



上に乗りかかって俺を揺さぶる稀紗を両手で受け止め、押さえる。



「ちょっ、稀紗落ち着け。」


「無理!」



動けないくせに、身体をよじる。



「わかったから!
悪かったって。」



そんなに怒るとは思わなかった。