私の彼氏と野球と私

「怖かっただろ?」



しばらくの沈黙の後、拓也が静かに聞いた。



「正直に。」



私はすぐ答えられなかった。


言ったら別れよう、って言われるかもしれないから。



「…うん、怖かったよ。」


「やっぱり。
そういうときは言っていいんだよ。
俺だって反省するし、気を使ってギクシャクされるのは余計つらい。」


「ゴメン。」



ため息をついて、拓也は立ち上がった。



出て行くの?


私は急いで立ち上がって拓也を掴んだ。



「何?
どうした?」



拓也はビックリして私を振り返った。