私の彼氏と野球と私

寛明は嬉しそうにへへっと笑って、奥に走って行った。

仲直りできて、凄く嬉しそうで、照れくさそう。




拓也は靴を脱いで玄関に上がり、私を引っ張った。



促されるままに、私は靴を脱ぐ。



そのまま拓也の部屋に連れて行かれる。



トンッと軽く押され、私はベッドに倒れた。



こないだの事がフラッシュバックして体が強ばる。



でも拓也は私の手を引っ張って起こしてくれた。



どうやら座れってことだったらしい。



拓也は床に腰を下ろして言った。



「何もしない。」



さっきの事だとわかった。



「うん。」



わかった、と私は屈んで拓也の手を取る。



ギュッと握ると拓也も戸惑いながら握り返してくれた。