私の彼氏と野球と私

「ゴメン、悪かった。」



ポロポロと涙が溢れてくる。



さっきはウザイって言ってたのに、なんで今はこんなに優しいの?



未練がましくなるじゃない…。



言葉は出なくて、私の喉からは小さな音が漏れるだけだった。



「うざくない。
ホントはうざくないんだ。」



珍しく擦れた拓也の声に、本当だと確信を得る。



「ホン…ト?」


「ん。」



拓也が優しく抱き締めてくれた。