私の彼氏と野球と私

「お姉ちゃん!?」



音を聞いてやってきた寛明のビックリする声を聞き流し、靴を突っ掛ける。



「稀紗!」



耳鳴りの間に拓也の声が飛び込んでくる。



追い掛けてこないで!


泣いてる所を見せたくない。



私は必死で走って、路地に入る。



「止まれよ!」



拓也の焦った声が後ろから追い掛けてくる。



「足で勝てると思ってんのかよ!」



聞こえた直後、腕を掴まれた。



「やだぁっ!」



放してよ!

惨めな姿さらしたくない。