「やっぱ拓也は野球部に入るんだね。」



稀紗は2つに結んだ髪を押さえて言った。



俺も風で揺れる前髪を押さえる。



「まあな。
顧問の先生も上手いらしいし。」



顧問が下手じゃ考え直したかもしれないけど。



「頑張ってね。」


「うん。」



稀紗ははにかんだように笑った。