私の彼氏と野球と私

コースにある空き地で30分ほど休み、家に帰ったのはほとんど出てから2時間近く経っていた。



とんとんと階段を上がり、部屋に戻る。



ドアをのろのろと開け、部屋に入ると、まだ稀紗がいた。



「えっ…。」



さっきの体勢のまま、ゆっくり俺を振り返る。



ドアの近くに置いたベッドから、数十cm。



下がった眉を見て、また罪悪感が胸を焦がした。



「なんでいるんだよ。」



残酷な言葉を重ね、また後悔する。



「………ゴメ…。」



小さな声で、稀紗が謝った。