私の彼氏と野球と私

「なんで順平庇うんだよ。」



へっ?と稀紗が間抜けな声を出す。



「ムカつく。」


「ゴメンね。」



稀紗は眉を下げ、謝った。



「順平君お腹殴られてたから。」



確かにあれは可哀想だったけど。



「でも俺に酷くない?
あいつも乗り気だったんだから。」


「うん、ゴメン。」



そんな上目遣い止めろよ。



俺はフッと視線を外した。



「た、拓也?」



稀紗はまた怒ったと思ったのか、慌てて俺を呼んだ。



面白れぇな。

ちょっとなぶってやるか。