私の彼氏と野球と私

「ムカつくから。」


「拓也!」



無視して、また速度を上げる。



「待って!」



軽く息を切らしながら、稀紗が声を上げる。



また無視して歩き出すと、稀紗が腕を振り払った。



「もうっ!」



足を止め、息を整えている。



「行くぞ。」



また腕をとろうとすると、手を叩かれた。



「やだ!」



キッと俺を睨み、稀紗は後退る。