私の彼氏と野球と私




『始まりました、体育祭!!!
皆さん力を合わせて頑張りましょう。』



放送委員の陽気な声とは対照的に、稀紗は真っ黒だ。


「ちょっと稀紗。
暗い、暗いよ。」



加代が苦笑いで肩を叩いているけど、反応がない。



「ったく。」



助けを求めて加代は順平を見た。



「俺!?いやいや…。」



順平は後退りして、智を変わりに押し出した。



「俺かよ!?」



そう言いながら、智は稀紗の前にやってきた。



「稀紗ちゃん。
そんな沈むなって。」


「うん。
でも恥ずかしいよ。」



怪訝な顔で、智は聞いた。