*稀紗side*



あっという間に夏休みが終わって学校が始まった。



「あ"〜、始まったね、学校。」



加代は机に突っ伏して言った。



「なんで学校なんかあんのかしら。」


「いや、私を見て言われても…。」



苦笑いの私をしれっと無視し、加代はバシッと順平君を叩いた。



「まだ暑〜い。
順平、扇いで。」


「なんで俺が…。」



なんて言いながら、下敷きを手に取り、加代を扇ぐ順平君。



…ということで。



「はい。」


「嫌だぞ、俺は。」



私が差し出した下敷きをサッと避けて、拓也は後退りした。



「順平君やってるよ?」


「俺は嫌。」