*稀紗side*



特に何をみるでもなくテレビをボーッとみていると、拓也が出てきた。



「あ、お帰り。」


「おう。」



わしゃわしゃ髪を片手で拭きながら、拓也は隣に座った。



「何か面白い番組やってんのか?」


「いや、特にないよ。
なんとなく見てた。」



ふーん、と拓也は新聞のテレビ欄に目を通した。



「確かに。
映画とかもホラーだし…。
あ、お笑い番組は?」


「いいけど。
いい人出てる?」



拓也は特にいないけど…と呟きながら、チャンネルを変えた。