「久し振りに泊まるなぁ、ここ。」


「中学以来か?」


「忘れた。
でも久し振り。」



稀紗はふにゃっと居間のテーブルにもたれかかった。



「飯、作って。」



稀紗は目だけを上げて俺を睨んだ。



「たまには拓也が作ってくれてもいいんじゃない?
それに私にはもうしばらく包丁握らせないんじゃなかったっけ?」



そういえばそんな事言ったような…。



「私、テレビ見てるから。」



ニヤリと笑って稀紗はリモコンに手を伸ばした。



俺は仕方なく立ち上がった。