汗を拭いながら息を整え、改札に向かう。



周りを見渡したけど、稀紗の姿はなかった。



ストンと座り込み、稀紗を待つ。






空が暗くなり始めても、稀紗は帰ってこない。



それからしばらくすると、虚ろな目をした稀紗がフラフラ出てきた。



「稀紗!」



駆け寄って、声をかける。